噛むことの大切さ
噛む運動は、大脳の働きと関係していると言われます。噛むことは、顎をつかいます。顎は、顎関節によって脳全体を包む頭蓋骨と接していますから、顎をつかうこと、つまり咀嚼運動の刺激は、顔面、頭蓋骨から首や胸、腰、骨盤を通って足の裏まで伝わる全身に良い影響を与える運動にもなります。
噛む能力のまったく持たない人のあごや頭蓋骨は、全体が骨粗鬆症(骨がスカスカになってしまう病気)の状態になっています。頭蓋骨の重さも、健康な歯を持っている人の半分以下になってしまいます。厚生労働省の調査では、噛む力がなくなると認知症(痴呆)が進むことがわかっています。
正常な噛み合わせを保つこと、理想的な咀嚼運動は体全体にいかによい影響を与えるかが、より一層明確になりました。歯科が全身の健康に寄与できる部分が、これからますます広がっていくのではないかと思います。その為にも食生活の中で、噛むという運動にこだわりをもち、健康の維持に努めることが大切だと思います。